十津川村の備忘録

去年の8月、初めて宿泊しての登山。蝶が岳ヒュッテで隣りに寝たおばあちゃん(70代、健脚、神戸在住、私のなかでの呼称/山ママ)に以前熊野古道の報告をしたところ「そこを良いと思ったならば、次回はさらに足をのばして十津川村に行くといい」という啓示のようなお言葉をいただき、以降調べたりわくわくしたり。木々、そのなかに暮らす動物、それらに触れたときの自分の感覚観察へ。
本当ならば果無峠を歩いてたどり着きたかったけれども、時間がゆるさず、深夜バスにて新宮に向かい、さらにバス。2時間半ゆられて十津川村に。

交通の便がどこから行くにも大変なので、「手つかずの森に出逢える!」と嬉々としておりました。手つかずの森というとジャングルチックなイメージがあるけれど、本州の気候ではそのような具合に木々が育つことはなさそうです。

しかし規模は大きく、どっしりとした山、川に囲まれると自分は物理的にも時間的にも部分なのだなぁということを改めて。手つかずといえば、杉ではなくブナが大きな割合を占めているところ。やはり見た目の印象だけでなく、なかに居るときの光の様子が違う。

野鳥はかごに入れてはならない。を痛感した場面。すずめがかごに。すずめといえばチュンチュンという印象だったけれど、話しかけてみるとギャーギャーとけたたましく、それを発するくちばしは鉄製の武器にしか見えず。きっと外を飛ぶ仲間たちに見せ物みたいになっているに違いない。とてもかわいそう。せめてかごをなかに入れてあげて欲しいです。

川の音を聞きながら本を読む、のはなんて贅沢。。この村から何処かに移動しようとするとバスは一日に数本しか走らないため、こういう時間が常にありました。でも「待つ」感覚はまるでなくその間の時間をきちんと過ごすことができる。
最寄りバス停から徒歩1時間半という玉置神社に。バス停で降りて歩こうと思っていたのだけど、結局運転手さんが神社まで乗せていってくれることになり、また、社内の案内もしてくれた。「山育ちの僕たちにとっても、ここは特別。」何かのために、というよりもただただ自然に感謝したり、自然を尊むしるしのような神社。壮大だけれど、飾らず素朴で、周囲の自然と一体になっていた。

旅館のおばちゃんにもらった木の実。私を見つけて走ってもってきてくれて嬉しかった。「ユスランメっていうんよ。方言かもしれんけど。。ユスラウメ、かもね」と言っていた。甘酸っぱかった。
一緒に露天風呂に入ることに。それにしても露天風呂ってあらゆるご褒美の集大成みたい。

ユスラウメ:ゆすら梅(バラ科