京都雑記

京都でやっている演劇祭へ。あやちゃんにお薦めされたお寺、三千院も頭のなかの行き先リストに。
結局着いてすぐ、三千院へ。京都駅からバスで北に1時間。山間部。「苔が奇麗」とのこと。

苔の雲海。

人の手が行き届いていて、整然とした庭園。その整然さに計算は感じられない。なんだかおかしな緊張感のようなものだけが場所とじぶんの間にできてしまった。その奥10分ほどのところにある来迎院がとてもよかった。「車ではご遠慮ください」とあり、続く坂道も大変な具合で人がいない。建物は塗り直した気配がなく、木そのものの色に戻っており、石段は自然に苔むしている。老朽するということは遠い時間と今の時間の距離をなだらかにしてくれるのかもしれない。
中心部に戻って、ユーナに教えてもらってからというものの京都に行くと必ず寄り、そして長居してしまう本屋さん、恵文社へ。
ここには雑貨も置いてあって、シンプルで丁寧なつくりのものが多いから、ついつい欲しくなってしまう。だめにしてから買わずにいた弁当箱を買う。アルミでまるっこい、二段のもの。箱なのにまるっこいのがほしかったのでちょうど良かった。そして今更のように茨城のり子の詩集を買い、珈琲が美味しい六曜社でゆっくり読む。

はじめてドーナッツを頼んだ。口に入れた途端にふわっとしたりせず、どっしりしていてむしろ噛み応えすらある。媚びてない感じ。おいしい。日中暑くて思わずアイス珈琲を頼んだけれど、劇場に向かう日が暮れる頃にはすっかり寒く凍えてしまうほど。ユーナに上着を借りた。